tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費性向低下の要因を整理すると

2017年01月29日 09時58分55秒 | 経済
消費性向低下の要因を整理すると
 前回、「なぜ」と尋ね「理由」を上げて見ました。何か際限なく広がりそうですが、この辺で「理由の方に共通の要因があるものをまとめて考えたり、より根本的な重要なものを重視したりといった整理をしなければならないようです。

 「企業の寿命が短くなった」「企業が成長しない」「企業にリスクを取る積極性がない」などは、共通する企業環境の難しさからきているのでしょう。
 「解雇が容易になった」「非正規が増えた」などは雇用条件が悪化したという事で、これらすべてに共通の理由は「経営が難しい世の中になった」「経営者が対応できていない、戸惑っている」といったことでしょうか。

 年金関係の問題では、「当面の高齢化は積極的に認めざるをえません」、しかし「ゼロ金利、年金積立金の運用が下手」は、かつて確定給付の企業年金が全盛だった時期を考えれば、ゼロ金利が基本的な理由でしょう。金融機関がリスクを負わないというのは、確定利付き商品がなくなり、政府もペイオフ制度を決めたように、時代が「リスク負担はご自分で」という時代になったという事でしょう。

 「寿命の延びに勤務延長が追い付かない」という問題は、「企業ではコストパフォーマンスの問題、賃金制度の対応問題」が主でしょうし、「働く方では健康問題」が主でしょう。

 こう見て来ますと、
「企業環境が変化し、経営が難しい時代になった」
「経営がそれに対応できていない」
「ゼロ金利政策・金融機関がリスクを負わないことが将来不安を増進し貯蓄を促進している」
「平均余命が伸びることは目出度いが、企業も本人の意識も対応不十分」
といった状況が浮かび上がってきます。

 ここでまた「なぜ」をやったらどうでしょうか。
・「なぜ経営が難しい時代になったのか」
・「なぜ経営がそれに対応できないのか」
・「なぜゼロ金利なのか」「なぜ金融機関はリスクを負わないのか」
・「なぜ企業も個人も高齢化時代への対応が遅れるのか」
こうした問題が解決出来れば、国民は安心し、消費性向は上がるはずという事になります。対応する理由を探せば、
「経済のグローバル化」「為替変動が読み切れない」「規制緩和で環境変化」
「経営者が十分に育っていない」「長期不況で従業員教育が手抜きされている」
「円高阻止のためにゼロ金利が必要」「金融緩和で景気刺激」
「政府の法制、企業の意識・努力、従業員の理解不足」
などが原因と考えられます。(まだいろいろあるかと思いますが)

 1番目と3番目は企業レベルではどうにもならない政府・日銀の政策問題。
 2番目と4番目は、企業労使で対応可能な問題という事になるのでしょうか。

 では、政府、企業、個人、それぞれがやるべきことは、という事になります。次回その辺りを整理してみましょう。

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